top of page

CBA日記への投稿をお待ちしています...。

​担当者:森田 秋子・菱川 法和

連絡先:E-mail cbaninchikanren@gmail.com

詳細はこちら

CBA日記

日本言語聴覚学会in松江、レポートします!


<神宿る国、島根の学会>

 早いもので、日本言語聴覚学会in松江から戻り、1週間が経過しました。

 今回は初の地方都市開催のST学会です。前日夕刻、ちょっとした観光もできました。たそがれ時の松江城、宍道湖からの夕日、夜の松江の街にはしゃれた店が多く、散歩も楽しく、学会旅行を満喫しました。

<懇親会は、松江の名所宍道湖大根島の日本庭園「由志園」>

 まずは、懇親会からレポートします。今学会の懇親会会場は、松江駅から徒歩圏内の大会会場「くにびきメッセ」からマイクロバスで移動すること30分、宍道湖に浮かぶ大根島(今は陸続き)にある美しい日本庭園「由志園」でした。季節は、紫陽花と牡丹が花盛り、美しい庭園に日暮れ前に到着、おいしい料理をいただきながら、今日も一杯。松江に来てよかった!

<学会会場看板前>

 大会1日会場入り口、看板前。地方開催ながら第1日目朝から大入り満員です。学会はさまざまな人との旧交を温める場でもあります。私の場合、大学の教員時代の教え子との再会は、学会の楽しみでもあります。最近はさまざまな講習会や研修会でお会いした人々が声をかけてくださり、さらに学会での議論を加えて親しくなれることも、嬉しいことです。ST協会の理事を降りてだいぶ経ちますが、後を託した後継者の理事の方々とも再会。「お疲れ様です…ありがとうございます…」ということばしかありません。私は職能団体の第一線で奮闘する立場からは離れましたが、違う場所で言語聴覚士として、あるいはリハ専門職として、患者さまのため、医療専門職のため、今日も一生懸命に頑張っています。心は1つ、です。

<伊藤梓さん、発表>

 さて、いよいよ本題です。本学会で、当院からは伊藤梓副主任が、CBAを用いたADLの予後予測に関する研究を発表させていただきました。退院時のFIM得点を目的変数とし、入院時の年齢、下肢ブルンストロームステージ、病前ADL(屋外レベルか屋内レベルか)に加えて、入院時CBAの4因子を説明変数として重回帰分析を行った結果、4つの因子すべてが有意に関与し、4因子で退院時FIMを76%説明できる、という結果を示させていただきました。対象は約200名、とまずまずのビッグデータを対象とできるようになりました。現場で実践的なクルニカルインディケーターを得るために、CBAに一定の有効性があることを示すことができました。伊藤さんのプレゼンはあか抜けていて、満足できる内容でした。

 今回の学会発表を通じてもっともよかったことは、院内でCBA研究活動に関わるPT、OT、ST合同が予演会を行うことができたことでした。ようやく私の夢の実現に、少し近づいたかな、という感じ。PT、OTが一緒にいなければ、得ることのなかった視点の違う意見をぶつけ合う議論ができました。CBA導入から3年、いよいよ病院全体での研究活動に取り組んでいかれる体制が整いました。

 学会会場での議論は、ADLの予後予測研究に高次脳機能障害を用いることの有用性は一致しているが、高次脳機能障害を何で評価するか、という問題はかなり混乱している、という点でした。MMSE、コース立法体、TMT-Bなどを用いた先行研究に加え、最近はFIM認知得点を用いて、FIM合計点を予測する、という研究が増えています。これをどう考えていくか、がこれからの議論になります。

 今回あらためて、FIM認知について考えさせられました。今後CBAについて取り組んでいく上で、FIM認知について、考えていかざるを得ないことも感じました。このテーマについては、改めてディスカッションのコーナーで議論したいと思います。その時は皆さん、ぜひ参加してくださいね。いろいろ考えさせられ、大きな学びのあった学会でした。

<STの未来は暗いか、明るいか>

 1つ1つの発表のレベル、そして会場の議論のレベルには、いろいろと課題を感じました。真にSTの専門性の向上につながる学会にしていくために、私たちは何をしなければならないのか。引き続き考えていきます。命ある限り。

最新記事
Archive
タグから検索
bottom of page