リハビリテーション・ケア合同研究大会茨城2016に参加して
リハビリテーション・ケア合同研究大会茨城2016に参加し、「科学の街つくば」で4日間を過ごした。毎晩酒ばかり飲んでいたような気もするが、学びも大きい研究大会であった。
大会初日開会式直後に続く、大会長志村大宮病院院長の鈴木邦彦氏の大会長講演、看護必要度作成者である筒井孝子氏の「地域包括ケアシステムにおける多職種協働のあり方」、オランダ福祉に詳しい堀田聰子氏の「人を、地域を、社会を変えるチームスピリット」の講演では、今まさに現在進行形の地域包括ケアシステムを肌で感じながら、「あと数年後には様々な問題と取り組みに答えが出るのだ」ということを感じた。
筒井氏の講演の中で、日本の多くの地域ですでに高齢化は「終わっている」と聞き、衝撃を受けた。多くの過疎地はすでに十分に高齢化し、高齢化対策に成功した地域失敗した地域は、すでに明らかになっている、ということなのだろう。もちろん、何が成功で何が失敗か、答えは単純ではない。しかし1つ感じることは、地域包括ケアに向けて「盛り上がっている」地域は、「何かがうまくいっている」ように感じられる。講演での報告を伺っただけですべてわかるわけではないが、鈴木大会長が話された志村大宮病院を中心とした街作りのダイナミックな展開には、目を見張るものがあった。様々な医療・福祉戦略を展開させ、高齢化に向かう地域に新しい建物が立ち、しゃれた街並みが増えていくと聞けば、何かワクワクした気持ちを起こさせる。時代を見据える目と方針さえあれば、こうした活性化は、「やれる」ということかもしれない。
堀田氏のオランダの地域包括ケアの報告と今後の日本に起きる変化の予測は、正直驚いた。いずれ来る超少子化時代に、PT・OT・STが1つの職種になるのではないか、という予測は何度も耳にし、ある程度の心構えがあるが、看護師、PT、OT、ST、社会福祉士、検査技師等々、「多数の関連医療職が1つの職種となるだろう」という見通しには、「そう来たか」という感じであった。ケアマネジャー制度が成果をあげながらあまりにもたくさんの課題を抱えている現状の中で、多職種的視点を持つコーディネーターを作るという方向性に、「それで解決するとは思えない」という率直な感想はわきに置いておいて、障害のある人々を分割して見るのではなく、さまざまな角度から情報を統合してとらえるため、「総合的視点をもった専門職が必要だ」というスタンスには共感を持った。これから目指していくのは、患者さん自身が情報スキルを得て活性化すること、そして多職種チームは先を見越した生活援助が必要になる、ということであった。
今の日本の医療、福祉の仕組みでは、専門家はそれぞれバラバラに、自分の考えで進めている。ずいぶん情報共有が進んできたのは事実であるが、それでもまだまだ無駄が多い。このような無駄をしている余地は、人的に経済的にこの先なくなる時代が来る、ということだ。そのために、1職種が多職種の知識を持ち情報を統合して答えを出せる力を身につけることは、私の持論と重なると感じた。
さて、当院のスタッフの発表はまずますの反響があり、お褒めの言葉をいただくこともでき、嬉しい限りである。藤井PT副主任による「転倒対策システム」に関する報告を聞き終えて、次回の発表にはCBAのデータを入れよう、と強く感じた。藤井さん、STのユニットリーダー、よろしく!
名古屋に変えれば、待ったなしの機能評価準備が待っている。この1か月というもの、機能評価で頭が一色となり、CBA日記の更新がままならず由々しき事態である。仕方がないので、そのうち機能評価について報告することにする。
(写真1は、超盛り上がった鵜飼リハ飲み会の様子、写真2は、この春輝生会にいらした水間氏と「石川誠を囲む100人会」にて再会を記念しての1枚、なぜか飲み会の写真しかなかった...)