日本リハビリテーション医学会 学術研究大会 in 京都
当院から、CBAに関する発表を2題行いました。1題は、理学療法士が行ったCBAの評価の信頼性について。もう1題はCBAとFIMの有効な関連性について。
1題目の発表を行った河原祐貴さん(鵜飼病院)。今日は大きな声が出ていて、初めての大きな学会発表の場で、立派な発表でした。1つ目の質問は、6領域の中で信頼性の数値が高かった項目と低かった項目について。意識、感情は比較的良好な一致度であったが、注意や判断はバラついた。これに対し、見る場面の違いや見る視点の難しさについて、とつとつとしてはいましたが、きちんと回答することができました。河原さん、大きな自信になりましたね。お疲れ様でした。
2題目の佐藤雅紀さん。リーダーでもあり発表も経験してきているので、安心して聞いていられる発表態度でした。内容もわかりやすくて、いい発表でした。座長から、「僕も、自分で検査を作ったこともあったけど、こういう検査はほかにもたくさんあるし、それらを使っても同じ結果が出せるし、何より自分たちだけ使っていても、他では使われないので比較もできない。今では、自分で検査を作る意味はあまりないんじゃないかと思うんだけど、それでもこの検査を作った意味があればお答えください」という、大変厳しい中にも愛のある質問。佐藤さんは、「PTにとっては、MMSEとか長谷川式とか、点数を聞いてもイメージがつきにくい。CBAは自分で評価して、自分で納得できる結果が得られる。その点でこの検査には意義がある」…という内容をしっかり返答し、とても素晴らしく、誇らしい気持ちでした。CBA作成者として、私は「CBAは、多職種が高次脳機能障害に同じイメージをためのチームアプローチのツール。日本中で使われたくて作ったんじゃありません。うちのPTが、高次脳機能障害を含めた予後予測ができるようになることが目標」と、ややエモーショナルな返答をしてしまい、後で反省...。CBAがきちんとした評価に育ち、いろいろなところで使われ、多くの医療専門職が高次脳機能障害を理解することに役立つことができることを、もちろん目指していかなくては...と思っています。
早朝のリハ医学会のポスター会場の、熱いディスカッションに気持ちが沸いた1日でした。留守番の菱川さん、二人のポスター作成、発表に最後まで丁寧なご指導を、ありがとうございました。
河原祐貴PT:回復期脳卒中患者に対するCBAの評価者間信頼性の検討
佐藤雅紀PT:回復期脳卒中患者に対するCBAとADLの関連